アルコールに依存すると何故「満たされない」のか?
カテゴリー:飲酒問題・アルコール依存
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人の欲求に対する重要な仮説

この図。ピラミッド状になっております。
心理学者アブラハム・マズローは・・・と
書き出すと何やら居心地が悪いのですが、人の欲求の段階を表したものです。
「マズローの5段階欲求説」や「欲求階層説」と呼ばれています。
人の欲求。下に行くほど絶対!なもので上に行くほど「出来れば・・・」というもの。
もちろん人間は生まれたからには出来れば・・・の欲というものは誰しも底がないもので、同時にそれは正しいことです。
一番下
「生理的欲求」 生命を維持したい。
これはご理解戴けると思います。誤って手を火にかざしてしまったら、即座に手を引きますよね?
その他、身体に細菌が入ったら熱を出して菌を殺そうとしたり、
今この瞬間も心臓が動いていますから、そういった点でも人は生きたいのです。
下から二番目
「安全の欲求」 安心できる生活空間や命の保証を求める欲求。
命の次に安心が欲しいのか、と思われる方もいらっしゃられるかと思いますが、
いつも危険に晒されている環境では三番目以降の欲求は抱きません。
ここまでを「物質的欲求」と言います。
アルコール依存の満たされなさの原因
突然ですが、
ここまで です。依存が進行して満たされる欲求は。
中には依存している方が気楽に見える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし満たされないのです。
理由はここにあります。
三番目は
「愛情・所属の欲求」 愛したい、愛されたい。
自分にとっての飲酒がそれを破壊してしまうかもしれない状況でも
お酒が欲求として勝ってしまう。
愛を邪魔するというと、何か詩的なように思われますが、アルコール依存症者が繋がりよりもお酒を選んでしまうことはしばしば起こり得ることです。
結果、孤独を深めることになったら、余計にお酒へと近づいていきます。
人間らしい究極の欲求
上から二番目
「承認欲求」認められたいという欲求。
と
一番上
「自己実現欲求」 自分を「価値あるもの」にしたいという欲求
本当に上手く出来ています。
何故なら一番上の欲求にはちゃんと底が無くなっているのです。
人間の欲に底が無いこととマッチします。
更に価値あるものへ更に価値あるものへ。それには終わりがありません。
アルコールに依存すると、欲求が満たされない
図でいう精神的欲求が沸いてこなくなる、正確には精神的欲求が満たされない時にお酒に頼り、
お酒への欲求に翻弄されて本来の欲求を見失ってしまった。
そういうことになると思います。
依存症になったら、お酒を断つ、というのは表面的な行為
図にすると、あるいは文言を聞くと・・・
高めていく・・・
何やら難しいことのように聞こえるかもしれませんが、かつて当たり前にあって、いつか追いやってしまったものです。
お酒と上手く付き合えなかった、ただその一点だけで、こころへの栄養を全て断ってしまったのです。
依存したら、お酒をやめる、というのは表面的な行為
物質的にのみ満たされる人生って、言い辛いですけど「か細い」人生になります。
自分を憐れむ人生に納得することは一見容易なようで、心の底から納得出来るかと言われると、「無理」であると考えます。
「普通」に「元気」でいるということは、
精神的な欲求を満たそうと前向きになることで初めて得られるのです。
カウンセリングでは「今」の苦しさももちろんですが、お酒で失われた、かつてあった精神的な充実を狙っていきます。
今、お酒のせいで精神的に満たされていないと気付き、認めた時点から、私は前向きな姿勢の一歩であると思っています。
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ふたついカウンセリングは回復のみを目的とするものではありません。
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