【HSPとアルコール依存】生まれながらにして敏感な人の飲酒~「長所/個性」をお酒で潰さないために~
カテゴリー:心理
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【HSPとアルコール依存】生まれながらにして敏感な人の飲酒~「長所/個性」をお酒で潰さないために~
高敏感者(Highly Sensitive Person:HSP)

生まれながらにして、とても敏感(ビンカン)な人がいます。
この「敏感さ」が特に強い人たちは、高敏感者(Highly Sensitive Person(以下、HSPとする))呼ばれています。
全人口(男女問わず)の15~20%(約5人に1人)とも言われ、決して珍しくありません。もちろん、病でもありません。
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この記事では、ごく簡単にHSPを解説した後、「なぜアルコール依存でHSPを考える必要があるか」について私の考えを述べます。
そして、いかにして敏感な自分と向き合うかについて、参考になるサイトなどを幾つか紹介します。
HSPの特徴→感覚器(聴覚・視覚・触覚・嗅覚)が鋭(するど)い
過覚醒(緊張が高い)、情動強度(感情の振れ幅が大きい)、感覚過敏(小さな変化に気がつく)

HSP(高敏感者)は、感覚器(聴覚・視覚・触覚・嗅覚)が鋭(するど)い、といった特徴があります。
また、
- ・環境の小さな変化に気付きやすい
- ・初めての場面で疲れやすい
- ・感情の「振れ幅」が大きい
- ・物事を深く考える
このような特徴を有しています。
また、対人関係では、相手の気持ちを察したり、相手と同じような気持ちになったりと忙しく「気疲れ」をすることも多いのが特徴であると言われています。
HSPは、その感受性の高さから、「心理的ストレス」や「抑うつ気分」が高まりやすくなります。
HSPは、自己静穏化が少し苦手
生活する上で溜まった「心理的ストレス」や「抑うつ気分」は、自分自身で落ち着ける(自己静穏化)より他ありません。
しかしながら、そもそも日常で受け取っている情報が多いからか、なかなかこの自己静穏化がうまくいかないという調査結果もあります。
「覚醒状態のまま落ち着かない」
「疲れ切っているけれど、休めない(休まらない)」
このようなことが、随分と多くあるようです。
HSPと飲酒の「ミスマッチ」

高い感受性を抑えるための「自己処方」としての飲酒
アルコールと関連させながら話を進めます。
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まだHSPに関する研究は始まったばかりですから、十分なデータがあるわけではありません。
しかしながら「HSPの特性」と「飲酒との食い合わせ」があまり良くないといったことも、実際に見聞きされます。
落ち着かない気持ちや、居心地の悪い状況で、気持ちを慰(なぐさ)めるようにしてお酒を求める人は依存者でなくともおられます。
様々なことに敏感でストレスの多い状態にあり、そのためあまりお酒が効かず、飲酒量がどんどんと増えてしまうこともあります。それとは逆に、「敏感であるからこそ」アルコールに強く反応してしまうこともあります。(他の薬(処方薬など)でも同様のことが起こり得ます。)
どちらにせよ、あまり健康的ではありません。
★HSPの特性は、その人の魅力足り得る。←悪しきことと判断して自己抑制(アルコール)
これまで挙げたHSPの特性は、「生き辛さ」にもつながりかねない内容です。
しかしながら、HSPの特性はその人の「魅力」にもなる「個性」です。
HSPは非HSPに比べて、適合した環境の元では、「上質なパフォーマンス」を発揮する。
そのような結論を導き出している調査がいくつもあります。
つまり、
そのような、非常に「もったいない」としか言えない状況を作ってしまいがちです。
自分自身の生まれながらにして持った特性を「悪しきもの」と思っているから、抑えつけなければならないと思ってしまう。これは大きな誤解です。
色んなことに気がつきやすい、考え込みやすい、落ち込みやすいけれど、感動は人一倍大きい。
そのような「個性」は、ポジティブに開花させていかなければなりません。
少なからず、お酒で潰してはいけません。
HSPの長所の理解をして、今までの考え方に「手を加える」
HSPの、より深い理解(当事者の声を聞く)
HSPについて「解説」してきました。
生活の中で、自分のHSPの特性に気づいた時。それが「悪しきもの」ではないということが確認できたら、きっと今までご自身が行ったの言動に関しても、違った解釈ができるはずです。
そういった一つ一つの積み重ねで生活は十分変化します。
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そして、より深くHSPを理解するために、個性をお酒で潰さないために、「当事者」の体験も是非チェックしてみて下さい。
↓TEDx Talks:「
TEDx Talksの映像です。日本語字幕がつけられます。
感受性の強い人の可能性、価値、社会で求められる役割などについて、当事者である彼女の理解と体験から語られています。
敏感さといっても程度も違えば感じ方も人それぞれです。
しかしながら、HSPは共感能力が高いものですから、互いの差を認めながらも、何か感ずるところがあるかと思います。
★HSP診断テストを受ける(所要時間5分程度)&おススメのnote
また、ご紹介したいサイトがあります。
HSPの度合いを診断するテストが、サイトで簡単に受けられます。HSP診断テスト(新しいタブで開く)
診断結果に価値がありそうなものですが、テストを受けながらもHSPの特徴について、改めて整理されていくように私は思いました。
また、このサイトではHSPについて書かれた書籍も紹介されています。
個人的には、当事者の声としては、漫画家のおかだちえさんがnoteに連載している「HSPあるある!」(新しいタブで開く)が、読みやすくてお薦めです。
カウンセリング(心理療法)による介入
カウンセリング(心理療法)による介入
最後に、当オフィスでのカウンセリング(心理療法)による介入についてですが、HSPであるから特別に何かをするといったことはありません。
お酒について、気になることがあった時に声をかけて下さい。その際は、ご自身のHSP特有の傾向について気になるようでしたら、相手(私)はHSPについて理解しているものだという前提でお話し下さい。
HSPという特性そのものは問題ではありません。
しかしながら、色々なことに気がつくし、マジメに考えるものだから、それらが積もり積もって一杯一杯になることだってあると思います。
そのような時は、お一人で抱え込まないで下さいね。